(当院の歯科医師はメタルフリー学会の認定医です。)
メタルフリーとは金属を使わない歯科治療のことです。
現在、日本の保険診療では、ほとんどのかぶせ物に金属が使われています。
当たり前に使用されている金属ですが、実は幾つかの問題を生じさせる可能性があります。
簡単に言えばサビです。
個人差(食習慣・噛む力など)はありますが、銀歯は3年程でサビが始まるとの報告があります。
メタルフリー治療とは、審美的な面ばかりでなく、身体的な面からも ”メタルに劣らない、体により親和性に優れている歯科材料”を用いて治療を行うことを目的としております。
昨今、歯学と医学の医療連携が強まり、歯と全身とのかかわりについて認識が高まっております。
口腔内の金属イオンが遊離し、局所粘膜ばかりでなく全身的影響が生じる事についても注目されるようになってきました。
金属イオンが遊離し、アレルゲンとして全身に作用し、種々の病態をひき起こすことが明らかにされています。
現代人の日常生活は、大気汚染や食物から摂取する添加物などに蝕まれ、いつしか免疫機能が著しく低下していると言われています。
つまり、現代人の体質は極度に弱体化が始まりつつあるといえます。そのため、個体差はあるものの微量のアレルギー因子によって、過剰反応が生じてしまうのです。
歯科領域では金属を用いた歯科材料が必須とされ、口腔内には数多くの金属で上部構造が修復されているのが一般的といえます。 特に最近になり、私達が日常臨床においても金属アレルギーに悩む患者さんに遭遇する機会が多くなってきました。
あのアルミ箔やスプーンを噛んだ時の不快なキーーーン!です。
電位差の違う金属の間に、唾液のような電解質が入ると、電気が流れます。
人の体には微弱な電流が流れており、脳はこの微弱な電流によって全身をコントロールしています。
ガルバニー電流が発生すると、脳からの指令が混乱してしまいます。ちょうど、精密機械が妨害電波で誤作動する現象とよく似ています。
その結果、体の痛み・疲れ・不眠・イライラといった様々な神経症状を引き起こす可能性があります。
ほとんどの方はガルバニー電流が原因と気づかないまま、自律神経失調症や更年期障害と診断され、不快な症状が続くことが報告されております。
歯を失う原因の上位に歯根破折と言うものがあります。
神経の治療後、歯質を補強する目的で根の部分に金属の土台を差込みます。
この金属の固さと歯の硬さに大きな差があり、歯に強い力がかかると、土台と歯との間に応力が集中し、歯根破折を招く傾向があります。
歯根破折は銀歯を入れた直後には起こりにくく、合着セメントの経年劣化や神経治療後の歯の硬化によって起こりやすくなります。
虫歯治療等の際に使用される被せ物の裏側に土台として取り付けた金属が、健康保険適用の銀や亜鉛などを主成分とした合金を使用すると酸化・腐食しやすいため、長期間、歯茎に接触し続けた結果、銀合金の成分が少しづつ溶け出し歯茎に蓄積してしまうために黒ずんで見えることがあります。また、差し歯の内側に使われている金属が透けて見えてしまうことによって、歯と歯茎の境目付近が黒ずんで見えることもあります。